ブログをWordPressから静的サイトジェネレーターに変更して良かった点、悪かった点
静的サイトジェネレーターのメリット、デメリット
静的サイトジェネレーターの採用
コドノワブログを2020年にリニューアルしました。リニューアルの一番大きな変更点は、技術的にWordPressを廃止し静的サイトジェネレーター(Static Site Generator)へ移行したことかと思います。
静的サイトジェネレーターはHUGOを採用しました。有名なものをいくつか試したのですが、わたしの環境では圧倒的にビルドが高速だったのでHUGOに即決でした。
WordPressの問題点
WordPressは導入コストが低く無料で使用できるCMSですが、ある程度の管理コストが必要です。導入コストが低いということでシェアも大きいのですが、そうするとハッカーに狙われやすいといった弊害が出てきます。
弊害を廻避するには、本体やプラグインの適切なアップデート、それに伴うエラーの検証、phpとMySQLが作動するサーバー環境の構築、静的サイトと比較すると遅くなる読み込み速度への対応など、つねにWordPressのシステムを注視しておく必要がありました。
そういうことが段々億劫になってきたんですね。
静的サイトジェネレーターのメリット
複雑さの廻避
静的サイトジェネレーターには管理画面やデータベースがありません。ファイルをビルドするだけです。ですのでとてもシンプルにサイト管理ができます。
ページ読み込み速度の高速化
静的サイトジェネレーターにはデータベース上でのやり取り(ページを生成する処理)がないので、非常に高速にサイトを表示できます。これはシステム特性からくるはっきりとした性能向上です。
執筆フローの簡素化
今だと大抵の人がブログをマークダウンで書いてGitで管理しているのではないでしょうか。WordPressだとさらにそこから書いた記事を管理画面へ持っていきコピー&ペーストする作業が必要でした。
静的サイトジェネレーターはマークダウンの記事をそのままビルドできます。この簡素化はメンテナンス性とワークフロー両面において圧倒的利点です。
セキュリティリスクの軽減
静的ページのみで構成される静的サイトジェネレーターの性質上、セキュリティのリスクが減ります。そもそも管理画面やデータベースがないので、そこに侵入されてコードを書き換えられる心配がありません。これは管理コストの大幅な解放を意味します。
バックアップの必要がない
静的サイトジェネレーターはGitで管理しているので、そこがすなわちバックアップデーターになります。リポジトリにすべてのデータが格納され、さらにはローカルにも同じ記事があるのでバックアップは不要です。
サーバー代0円の恩恵
大抵の静的サイトジェネレーターは無料のGitHub PagesやNetlifyでサーバーを構築できます。そのためサーバー代金が無料になります。必要なのはドメインだけ。お財布にやさしい仕様です。
静的サイトジェネレーターのデメリット
日本語の文献は非常に少ない
公式ドキュメントは基本的に英語で日本語ページはありません。日本語の情報はとても少ないので、頑張って英語サイトから情報を拾う必要があります。
動的な記事は作れない
人気記事一覧だとかサイト内検索といった動的な部分の記事は作れません。お問い合わせフォームも外部のサービスを利用する必要があります。
コマンドライン入力に慣れていない人には導入コストがやや高い
静的サイトジェネレーターはHTMLやCSSなどでつくるサイトと違い、コマンドラインでサイトをビルドしてゆきます。その部分に慣れていないと導入コストは高くなります。
まとめ
静的サイトジェネレーターはWordPressより楽にサイト運営ができ、コスト面でもアドバンテージがあります。個人的にはバックアップが不要なのと、執筆フローがサイトのビルドを兼ねるところが良いなと思います。
最近では日本語サイトの構築に適した静的サイトジェネレーターなんかも出てきたので、これからますます静的サイトジェネレーター界隈が盛り上がるかもしれませんね。